猛威を振るっている新型コロナウイルスですが、次から次へと変異株が現れます。
2021年6月に入り、新たな変異株「C36」が国内で発見されて再び警戒態勢になりました。
ところで新型コロナウイルスの変異株の名前ですが、どうやって決まっているのでしょうか。
名前の由来や意味について、わかりやすくお伝えしていこうと思います。
新型コロナ変異株C36の情報
今回日本国内で発見された新型コロナ変異株「C36」という種類。
正式にはC.36というのが正解なんですけど、またか・・と思った方も多いと思います。
ところで、そもそも変異株の名前ってどうやってつけられているのでしょう。
名前の由来
変異株の名前は、ギリシャ文字のアルファベットを適用されると言われています。
「インド型」「イギリス型」ってよく言われていましたが、そういう名称ではなくなるそうです。
これは世界保健機関(WHO)が発表していて、具体的にはこんな感じの名前になるらしいです。
この画像のとおり、イギリス型=α型であり、インド型=δ型というのが正式な名称。
ちなみに、αはアルファベットA、δはアルファベットDのことなのは意外と知られていないかもです。
今回の変異株につけられた「C」というのは、ギリシャ文字だと「χ」に値します。
日本語だと「キー」と発音するんですけど、つまりはχ型の変異株と表現することになります。
すでにWHOの新呼称リスト入りとなっていて、世界でも感染が広がっているような状況です。
発生源や感染状況
旧来の呼び名だと「北アフリカ型」とされていますが、発生源はエジプトが濃厚です。
日本国内初感染の方は北アフリカから帰国したと書いていますが、おそらくエジプトでしょう。
なぜそう言えるかといえば、世界の感染者の42%がエジプトだからです。
こちらは世界のC.36の感染状況がわかるサイトから抜粋したマップです。
エジプトが断トツで感染者が多いことから、発生源は間違いなくエジプトだろうとのこと。
ちなみに、2021年6月3日現在で世界の感染者数は1481人。
2021年5月末、エジプトを旅行してタイに帰国した人から確認されたのが始まり。
急速に世界に感染拡大しているところで、その感染力や危険性がまさに研究されているところです。
変異株と変異種の違い
少し脱線しますが、変異株と変異種の違いをきちんと整理しておきましょう。
冷静に考えれば非常に簡単な違いなんですけど、こんな感じで理解しておけばよいでしょう。
変異株と変異種の違い
変異株:ウイルスの性質が一部分だけ変化すること
変異種:ウイルスそのものが変わってしまうこと
変異株というのは、新型コロナでいえば突起部分の「株」が変化したものを言います。
あの突起部分はスパイクタンパク質と呼ぶんですが、それが変わると感染力や危険度が変わります。
変異種というのは、突然変異などが起こって種類自体が変わっちゃったというもの。
非常に単純な違いなんですが、いちおう知っておいてもらえたらと思います。
変異株の種類
新型コロナの変異株には、どういったものがあるのでしょうか。
代表的な種類でいうと、L452R・P681R・P681R・E484Q・N501Y・E484Kがあります。
これらの変異株はどういう意味なのかというと、こんな感じです
L452R:452番目のタンパク質がロイシンからアルギニンに変異
P681R:681番目のタンパク質がプロリンからアルギニンに変異
E484Q:484番目のタンパク質がグルタミン酸からグルタミンに変異
N501Y:501番目のタンパク質がアスパラギンからチロシンに変異
E484K:484番目のタンパク質がグルタミン酸からリシンに変異
上記の法則のとおり、アルファベット=タンパク質で数字は番号となっています。
タンパク質とは、先ほどご紹介したスパイクタンパク質(突起部分)のことを言っています。
つまり、突起部分のタンパク質が色々変異して種類が増えているということなんですね。
今回のC36は、感染力がとても高いL452Rの変異が見られると言われていて、警戒されています。
ちなみに、関西地方で多く見られるのがN501Yで、感染力も危険性も高いと言われていますね。
ウイルスの変異というのは、頻繁に起こる現象なのでそれ自体は普通の現象です。
また変異により強毒化することも少ないので、むやみに怖がる必要もないとのことです。
ただ、稀に強毒化することもあるそうですし、しっかりと正しい情報を得ることが大切ですね。
まとめ
以上、日本国内で初感染が確認された「変異株C36」に関してご紹介しました。
これから国内で感染が広がるのは不可避だと思いますが、、強毒性のないことを祈るのみです。
今回お伝えした変異株の基礎知識を持っていれば、情報を正しく理解できるのでとても大事です。
ぜひこの情報が皆さんの参考になれば嬉しいですし、しっかりと感染予防をしていきましょう。