2022年シーズンの大学ラグビーも大詰めを迎え、残すは大学選手権の決勝のみとなりました。
昨年王者の帝京大学が順当に勝ち進み、そして伝統校である早稲田が意地を見せてくれています。
今年の決勝戦は果たしてどんな展開になるのか、戦力分析や成績をとおして予想したいと思います。
帝京大学と早稲田大学のチームの特徴
まずはじめに、両校のチームカラーや特徴についてご紹介していきたいなと思います。
早稲田大学
大学ラグビー界の名門中の名門、全国各地から優秀なラガーマンが集結して組織された大学。
大学選手権はすでに過去16回出場していて、平成以降はずっと毎年大学選手権に出場しています。
早稲田OBには、日本代表として世界を沸かせた五郎丸歩さん、藤田慶和さん、布巻峻介さんがいます。
早稲田ラグビーの最大の特徴は、グラウンドを左右に大きく使ってボールを展開するラグビーです。
バックスにボールをどんどん回し、外に大きく振って人数が余ったところでトライを取るイメージ。
フォワードで泥臭く攻めるというより、走力や技術の高いメンバーで魅せるラグビーという感じ。
2022年シーズンに関しても早稲田の特徴は継承されていて、バックス中心で得点を重ねるスタイル。
準々決勝・明治大戦では3トライ中3つ、準決勝の京産大戦でも4トライ中3つがバックスでした。
この伝統的な戦い方が帝京大学にも通用するのかどうか、注目ポイントになるでしょう。
帝京大学
一方の帝京大学は、ここ最近の大学ラグビー界の絶対的王者として君臨しているチームです。
2009年から9連覇を成し遂げ、また2021年シーズンも優勝したので、ここ13年で10回優勝しています。
いまや大学選手権の決勝常連になっている帝京大学を、どう倒すかが各大学の目標になっています。
そんな帝京大学の最大の特徴は「選手の自主性」を最大限発揮する自由なスタイルです。
帝京大学の岩出元監督は、上下関係の撤廃・選手主体のMTG・細やかなコミュニケーションを画策。
試合中のあらゆる場面で選手が自発的に状況判断し、ベストなプレーを選択できる力を育成しています。
2022年シーズンも個々人と組織の強さは健在、圧倒的な強さで決勝まで勝ち進んでいます。
他の大学とは頭一つ抜けた存在となっており、優勝候補の筆頭と言われています。
帝京と早稲田の成績比較
大学名 | 帝京大学 | 早稲田大学 |
所属リーグ | 関東大学対抗 | 関東大学対抗 |
リーグ戦成績 | 7勝0敗(1位) | 5勝2敗(3位) |
総得点(リーグ) | 449点 | 251点 |
平均得点(リーグ) | 64.1点 | 35.9点 |
平均失点(リーグ) | 10点 | 18.4点 |
対戦成績(2010~) | 15勝3敗 | 3勝15敗 |
直近の成績(関東大学対抗) | 49-17 | 17-49 |
では、2022年シーズンの帝京大学と早稲田大学の戦力および成績を比較してみましょう。
ご覧のとおり、攻守ともに大きく帝京大学が上回っており、数字だけでも実力差があるとわかります。
もちろん決勝での直接対決での結果はわかりませんが、帝京大学が有利なことは間違いないでしょう。
大学選手権での帝京大学の勝ち上がりも、ほぼ順調と言っていい成績。
準々決勝では同志社大学に50-0で完封勝ち、準決勝の筑波大学にも71-5と大差をつけて勝利。
プレーの強さも質もレベルが違っていましたし、穴という穴はなさそうな印象です。
一方の早稲田大学は、リーグ戦3位での通過と少し出遅れましたが、さすがは伝統校。
準々決勝の明治大学戦では27-21とリーグ戦での雪辱を果たし、準決勝では関西王者・京産大を撃破。
一発勝負での強さは早稲田ならではですし、歴戦の大学として決勝も期待できるのではと思います。
ちなみに、リーグ戦での直接対決は11月6日で、49-17で帝京大学が勝利しています。
この2ヶ月の間に早稲田がどこまで実力を伸ばしてきたのか、重要なポイントだと思います。
帝京と早稲田の注目選手
それでは、この決勝戦で注目すべき選手について紹介したいと思います。
帝京HO 江良颯(3年)
猛烈なスピードで突破する推進力、試合中の存在感がとても際立っている江良選手。
大学1年生の頃からスタメンで出場しており、3年生となった今年はさらに磨きがかかっています。
早稲田大学としては、彼の突進を止めることが重要課題であり、難しいポイントにもなるでしょう。
もともと中学時代はスタンドオフをやっていた関係で、バックスの戦術や動きも詳しい選手。
大阪桐蔭高校に進学してからフォワードに転向し、高校日本代表にも選出された逸材です。
フランカーの奥井章仁選手とは高校時代からの同級生で、彼らのコンビにも期待が高まります。
ちなみに、江良選手のお父さんもお兄さんもラガーマンとラグビー一家。
家族のためにも良いプレーを見せてくれたら嬉しいなと思っています。
早稲田SH 宮尾昌典(2年)
京産大戦でも注目選手としてピックアップしたのですが、やはりこの選手から目が離せません。
まさに「天才」として多彩なプレーを展開でき、パス・キック・タックル・トライ全てできる選手です。
彼の素晴らしいパスワークや素早い動きをぜひ注目して欲しいなと思います。
兵庫出身の宮尾選手は強豪・京都成章に進学し、寮生活をしながらラグビーに没頭。
1年生の頃から試合に出場、U17日本代表にも選出されてその才能を見込まれる存在になっています。
早稲田大学でも1年生から全試合出場し、2年生になった今年はチームの中心となって活躍しています。
宮尾選手のセンスの高さは折り紙つきですが、フォワード相手でも激しいタックルができるのも魅力。
また自らボールを運んでトライを決められる積極性もあるので、オールマイティーな選手と言えます。
将来は日本を代表するスクラムハーフになると思いますし、決勝でも力を発揮してくれるでしょう。
早稲田大学SH 宮尾昌典選手の紹介ページ(J-SPORTS)
帝京vs早稲田の勝敗予想
では最後に、決勝戦の勝敗予想をしたいと思います。
個人的な予想ではありますが、48-27で帝京大学が優勝します!
リーグ戦での32点差までは開かないと思うのですが、早稲田が帝京に勝つのは想像できないかな。。
実力差がやはり大きいので、早稲田が帝京対策を完璧にやらないと勝負は早々につくでしょう。
それだけ2022年シーズンの帝京大学は強いですし、太刀打ちできない相手だと思っています。
とはいえ、イチラグビーファンとしては早稲田の善戦を期待しています。
接戦になれば早稲田大学の経験や底力がジワジワ効いてくるので、わからなくなるでしょう。
まずは前半で得点差を最小限に抑えることが、早稲田大学には必須条件になってくると思います。
まとめ
以上、2022年シーズンのラグビー大学選手権「帝京vs早稲田」の予想を紹介しました。
王者帝京の実力は非常に高いですが、早稲田の大舞台での強さを発揮してくれたら面白くなりそう。
ぜひ全力プレーで気合と根性を見せて欲しいなと思いますし、応援したいなと思っています。